ひこくろ

ラブゲームは終わらないのひこくろのレビュー・感想・評価

ラブゲームは終わらない(1988年製作の映画)
3.4
超ハイテンポなドタバタコメディだった。

「10分に1回濡れ場があれば、あとは何をやってもいい」という日活ロマンポルノらしく、大量のベッドシーンが出てくる。
が、それが作り手の見せたいものではないのは、観ていてよくわかる。
また、ベッドシーンにはちゃんと必然性も用意されていて、そこだけ浮いているという感じもしない。

たぶん、描きたかったのは、主人公の裕を取り巻く人々のわちゃわちゃした感じ、だったんじゃないだろうか。
その感じはすごい出ていて、なんか伝わってくるものはあった。

ベッドシーンを除けば、まるで駆け足のようなテンポで話は展開する。
ギャグも矢継ぎ早に繰り出され、突っ込む間もなく、あれよあれよという間に終わる感じ。
この尋常ではないスピード感は、ちょっと独特だと感じた。
ただ、話もギャグも何もカもが80年代のノリ全開なので、人によって合う合わないが出そうな気はする。

あと印象に残ったのは、主演の竹田ゆかりの可愛らしさ。
単に顔が可愛いというのではなく、仕草や表情、溌剌とした演技から、可愛い雰囲気が滲み出ている。
調べてみたけど、どうもこの一本しか出ていないようで、とてももったいないと思った。

じつはロマンポルノを観るのは初めてで、こういうものなのかあと驚いたというのが素直なところ。
アダルトビデオでもVシネマでも、もちろん一般映画でもない、ロマンポルノの世界は確かにあった。
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