ぼさー

ミレニアム・マンボのぼさーのレビュー・感想・評価

ミレニアム・マンボ(2001年製作の映画)
3.8
台湾を舞台に、新宿、夕張も登場。ヒモな彼氏に苦しめられながら酒とタバコと音楽を浴びて悶々と暮らす20代女性の青春映画。
映像がスタイリッシュでテクノ音楽と相まってすごくかっこよかった。

2001年の作品。1990年代のウォン・カーウァイ監督作品のような場当たり的な若者群像のアジア映画が流行っていた時代。ウォン・カーウァイ監督は世紀末の不穏さにおける若者の楽観さという若者像だったが、侯孝賢監督の描く若者は夜の煌めきのなかに先行き不透明な息苦しさを投影していて不穏さそのものだった。

2001年当時、日本は世界に先駆け3G携帯電話サービスをスタートさせ、携帯でネットが可能なiモードも普及。ガラパゴス携帯ながら世界の最先端のエレクトロニクス&モバイル通信大国だった。そんな日本も本作の舞台となっていて、それは後に財政破綻する夕張と、後に韓流ブームでコリアンタウンとして観光地化する新大久保である。
日本のなかでも特色ある変化を遂げた地域が舞台に選ばれていて、そういう時代感を感じながら見ると面白い。
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