にっこりくん

生きてるだけで、愛。のにっこりくんのネタバレレビュー・内容・結末

生きてるだけで、愛。(2018年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

鬱を抱えている人は、社会に順応することが難しいため、彼らを責めないようにと、「生き辛い社会」と社会が問題であると指摘するような意見がよく聞かれると思うが、まだそれが浸透していない中で生きる鬱(おそらく躁鬱)の女性がヒロインだった。
おそらく今まで「鬱」に触れ合ってこなかった人はひとつも理解できないと思う。
主人公もその精神で、皆がおかしい、(たとえ優しくされても)疲れる、見透かされてる気がする、と焦燥感で社会に出ようと無理をして塞ぎ込んでしまっている。
自身と乖離することが楽だと知っておきながら、それが出来ないことで深い悲しみを抱き、時にはそれに成功し、もうひとつの人格に頼っているような描写も見られた。
鬱とはこういうものなのかもしれない、そう思わせてくれるのと同時に、津奈木の無理解、と社会の無理解を見ていると、鬱患者は、無理解に救われることもあれば、苦しむこともあるということも窺えた。
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