ぽにょ

生きてるだけで、愛。のぽにょのネタバレレビュー・内容・結末

生きてるだけで、愛。(2018年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

観ていてエネルギーを消費した。主人公に共感できない人間の場合、この映画を観ている時間は、なぜ自分がこの主人公に共感できないのか、つまり自分はこういうことに普段どう感じているかなど、日頃自分が当たり前のように考えていることをいちいち逆撫でされるような気分だった。なかなか日常ではありえない機会で、得がたい経験だった。
冒頭から寧子がただだらしない人にしか見えなかったが、やらなければいけない、みんなできていることが自分はできていないことの苦しさや絶望、逃避するかのような過眠は切実だと思う。特にカフェバーで働くように安堂に強要されるシーンは寧子が言い訳を繰り返す様子をいっそ苛立たしく思ったと同時に、ここまで苦しんでいる寧子をまるで怠けているように感じてしまう安堂や自分についても強く気持ち悪さを感じた。
また、後半になるにつれて、決定的に寧子は自分は他の人と違うと確信を深めていくが、自分はその過程がよく分からなかった。最後のシーンで、寧子は津奈木にぶつかっているのに津奈木は楽しようとしていると指摘していたが、そもそも自分は他人と自分が理解し合えると思っていないのかもしれない。
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