みーちゃん

不安と共に生きるのみーちゃんのレビュー・感想・評価

不安と共に生きる(2017年製作の映画)
3.7
博士課程に通っていたある日Chronic Fatigue Syndrome(慢性疲労症候群)を突然発症したジェニファー(本作の監督)が、自分の日常を通して、また同じ病気を持つ人と交流することにより、この病気とはどんなものかを明らかにしようとする作品です。

私はこれまでCFSの存在を知りませんでした。この誤解を招くような名前、更には肉体的にどこにも不具合が見つからないことも手伝い、巷では、単に疲れたふりをしているだけだとか、怠け者、医者に至っても精神的な病気だと考える人もいるそうです。

実際に治療法は見つかっておらず、デンマークではCFSは精神病と考えられており、患者が強制的に隔離をされる場面もありました。根本的な治療法も分からず、心を閉ざす者、絶望する者…。

アメリカで病気の治療法を研究推進しているCDCでは、アレルギー症状に対して割かれる費用よりも少ない費用がCFSに対して割り当てられているそうです。アメリカ国内だけで年間20万人が罹患しているにも拘らず。この病気の死因第一位は自殺だそうです。

多くの人がこの映画を見て、この病気に対して理解を深め、更には根本的な治療法が見つかることを祈っています。