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冴えない彼女(ヒロイン)の育てかた Fine(フィーネ)のtakのレビュー・感想・評価

4.3
そうきたかあ!!!🤣

映画館の暗闇でニヤニヤしながら観たかった。(連呼される劇中の言葉を借りれば)"キモヲタのオ×××"話を、クスクス笑いながら、伝わらない気持ちの切なさに悶えながら、決死のクライマックスにキュンキュンしながら2時間を乗り切った。こういうのは自宅で観たらいかん。中断されたら入り込んだ気持ちが冷静になってしまう。幸いなことに自宅で邪魔が入らずに観られた。というよりも物語の展開にいちいち反応する自分を、家族に気持ち悪いと思われなくてよかった。あれ?いい歳したオレも倫也と同類?

テレビシリーズ全25話を通じて、僕らが見守ってきたのはモノづくりに挑む若人たちに芽生えてきた様々な感情の変化。いわば成長物語だ。才能が先行する詩羽や英梨々に、ゲームクリエイターとして憧れてきた倫也がその気持ちの一途さ故に気付かなかったこと。その一方でキモヲタ倫也を中心にしたラブコメ展開("正妻戦争"の表現に笑い転げた)は、じわじわと進展するもののそれはヒロインたちによって包囲網が狭められていく様子だった。

倫也が目指した究極のギャルゲー。その中の物語と現実がリンクする快感。第2期のラストでその展開になることは折り込み済みで見始めた劇場版だが、予想を遥かに超えていた。第1期で何もできなかったメインヒロインが真の主役になっていくドラマ。でもそれは表面的な筋書きでしかない。ゲームの演出に関わっていく恵。メインルートの展開を恵に相談する倫也はそれを通じて、女のコと本当に仲良くなる道すじを学んでいく。それは恵が恋のディレクターになった瞬間。この劇場版では、それがさらに進んでいく。詩羽と英梨々がそれぞれの立場で倫也を思う気持ちの変化も見ていて清々しく、惚れ直しちゃう。ラストの英梨々にもらい泣き。

恵とのロケハン>デートだったのが、二人でいることの意味がだんだん強くなる。詩羽と英梨々の危機に倫也が大阪へ向かう駅の場面の切ないこと切ないこと。恵のひと言ひと言が重い。平坦なしゃべりが面白かった安野希世乃のボイスは、2期後半から一気にエモーショナルになる。誕生日デートの約束する場面の「知らないよ♡」、おなじみ白いベレー帽にキュン死。「特別じゃなかったんだよ」と涙する場面のリアルな響き。あー、ヤバい。泣きそう。そして胸キュン(死語?)なクライマックスへ。

「合格、だよ♡」
オレも言われてぇーっ!🤣

そしてこの物語は真のエンディングを示す。あー、やっぱりこのストーリーの本質はモノづくりなんだな。素敵な結末。

大好きな人と手をつなぐ心地よさ。エンドロールで春奈るなの「glory days」を聴きながら、その感触を思い浮かべる。え?キモいって?そんなふうに言わないでぇー!😂 でもこんなアニメにキュンとなれる自分は、いい歳しててもまだまだイケてるのだよ(違う)。
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