じゅんP

タイムトラベラーのじゅんPのレビュー・感想・評価

タイムトラベラー(2017年製作の映画)
3.4
何とか取っ掛かりを作ろうと一番興味引けそうな要素をシンプルに言ってみた邦題はともかく、ジャケの迷走っぷりはある意味見どころ。こんな『エアベンダー』っぽい色味の映画でもなければ、主人公がミシェル・ロドリゲスみたいな格好(個人のイメージです)で激しいアクション繰り広げるようなシーンも一切ありません。

夫を亡くして間もない主人公、序盤は彼女の喪失感が静かに描かれます。ある朝、いつも通り目覚めた主人公は寝る前の数時間?もしくは数日?の記憶がなく不思議な感覚に。すると非通知の電話から着信が。電話越しの声は確かに自分のもので、その声に導かれるまま、押しかけてきた見知らぬ男から逃れて家を飛び出します。そこで世界が自分の認識と1週間ズレていると気づき、この間に何が起きたのか、ひいては夫がなぜ死んだのかといった謎と対峙することに…。書いてると何だかてんこ盛りに感じますが、テンションは大きく変わらず、静かに進んでいきます。

タイムトラベルのロジックやタイムパラドックスの整合性と倫理観、そもそもの設定なんかはざっくりしていて、あくまで主人公が喪失から立ち直るまでのストーリーを紡ぎたかったみたいです。まあそのドラマも雑といえば雑なんですが…。全体的に過程に重きを置いていて、枝葉の部分や結果はおざなり。ここに興味を持てるかで評価は分かれる気がします。

過去は変えられない、後悔先に立たずってことで言えばきっとこのジャケのデザインに関わった人たちも…やめときましょう。
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