ソ連時代のグルジア1983年、裕福な若者グループが西洋に憧れ、犯罪素人にもかかわらず連邦内旅客機をハイジャック!!
しかし、杜撰・稚拙の余り銃撃で多数の死傷者を出し、自分たちも撃たれて負傷するものが数名・・・
制作自体は2017年だが当時のソ連的空気感がよく出ていたのではないかと思われる。最も実際のソ連は知らないけど・・
エンタメ的演出なきグレートーンの淡々とした展開ゆえに「どうなるのか?」と興味をそそられ、事件当時の有り様を傍観者として体験できたかのような不思議感覚。
親たちの「村八分的」な場面は描かれていなかったが、当然「針のむしろ」にずっと座らされているような心境で生活していたのだろう。
死傷した乗客乗員にとっても、愚かな若者グループにとっても、その親たちにとっても「灰色の悲しみ」としか言いようのないやるせない物語。
エンタメものに飽きた目にとって、見た甲斐のある映画でした。