映画太郎

来るの映画太郎のレビュー・感想・評価

来る(2018年製作の映画)
5.0
公開から随分後になって本作を観たのと、バカみたいに文章が長いのは、多分「アレ」のせいだと思う。


冒頭、妻夫木聡の夢に少女が登場する。全体を通して少ししか登場しないのに存在感が凄い。素晴らしい映画は子役に手を抜かない。

そしてバカハッピーな妻夫木聡と黒木華の結婚披露宴のシーン。後ろで木村カエラの「バタフライ」が流れている。よくできた余興が楽しい。

「渇き。」では役所広司がボロボロのグロリアに乗っていたのがカッコ良かったけど、本作では岡田准一がボロッボロのボルボに乗っている。日本人は真面目な国民性だからなのかクルマをキレイに乗ってるイメージがあるけど、ボロボロなクルマはハリウッド映画的なイメージがある。

そして、 幸せに見える日常が、闇に包まれながら人が死に始める。メインキャラクターかと思っていた人間がどんどん死んでいく。血にまみれて結構派手に死んで行く。

「ターミネーター ニューフェイト」のサラ・コナーみたいな柴田理恵登場。中華料理店を地の海にして「アレ」に片腕を持っていかれてしまう。

キャバ嬢霊能者 比嘉真琴(小松菜奈)さえ倒れてしまった所へ、ついに姿を現す、最強霊能者 比嘉琴子(松たか子。歳上の霊媒師達は「ことこちゃん」と呼んでいる)。

「姉です。このバカの」

比嘉琴子が現れると、後ろで比嘉琴子のテーマとも言うべきダークな曲が流れてる。

全ての始まりとも言える、マンションの大規模除霊を決定。琴子の強力過ぎるコネクションで全国(韓国の祈祷師や科学研究チームなども含む)から霊媒師を招集。警視庁はマンションと周辺を強制退去・全面封鎖。御神木から舞台を作り関係者はお札を付けて作業にあたる。

現地へ向かった大鳥神社の神官4人は移動中に危険を察知し、バラバラに移動する。「誰ぞ1人くらいは無事に辿り着けるやろ」

準備中は遊んだり自撮りしたりしてる女子校生4人の巫女。

孤高の霊媒師、復活の柴田理恵。

全てが集結するマンション。アッセンブル!


とにかく、邦画で他に比べる作品がないと思える程、圧倒的エンターテイメント。
「怖くない」、「つまらない」、と言う感想も見かけるけど、薄暗くて、ジメジメしていて、恨み辛みが元凶となるような、日本の定型的ホラーを期待して観ると、確かに怖くはないし、エンディングは訳がわからないと思う。あちこちのレビューでも言われている事をあえて言うと、やっぱり「アベンジャーズ エンドゲーム」と言わざるを得ない。何なら個人的には「アベンジーズ」より興奮したかもしれない。本当に楽しめた。素晴らしい。

本作の原作にあたる「ぎぼわんが、来る」は「比嘉姉妹シリーズ」的に何冊か書かれているから、続編を撮る事は可能だと思う。ただ、中島監督はこれまで続編を撮った事がない。中島監督以外で本作を超えられるか? 興行的見込みがあるか? 「比嘉姉妹シリーズ」は観たいけど、本作に傷を付けるくらいなら無理に映画化はしなくていい。
映画太郎

映画太郎