ジュウゴ

来るのジュウゴのレビュー・感想・評価

来る(2018年製作の映画)
5.0
自分の好み

リップヴァンウィンクルの花嫁にも黒木華は迷子になって泣くシーンがあって、それが似合う役者なのが珍しいと思う。大人が迷子になった事を告白するって相当に無理な状態だなと感じる。

原作タイトルから霊の名前を取って"来る"だけにしたのも最高で、映画内で描く敵が抽象化されている。
何か巨大な悪や怪物に攻撃されているのではなく、心の疲れを生んではどんどん悪化していく現代の構造が悪のような。

最近見た空白にも近いような、コミュニケーションの問題とか空虚を感じる現代を表しておいて、コミカルも入れてくるのが最高。自分の好きなSPEC、ケイゾク臭のするシリアルとコミカルのバランス。

全キャラクターの設定と作り込みが凄くて、皆脆さと強さを持ってる。
演出の作り込みも最高で、退治の夜の日本的な宗教の集合で、神仏は勿論、アイヌっぽい柴田理恵の格好とか、来れなかったけど沖縄のもの、さらに韓国や機械も居てまじ混沌な現代日本の宗教


メモ、メッセージを感じた所
痛みが生を実感させる、痛みや呪いを背中に出てくる、死体がこちらを向く(夫婦で倒れ向きが対)
抱き締めるって行為、自分の命は自分で守れ、真琴が指輪をあげる