イホウジン

来るのイホウジンのレビュー・感想・評価

来る(2018年製作の映画)
3.8
人間博覧会

ジャンルとしてはホラー映画なのだろうが、物語の主体は、人間にとって不可視の存在であるほぎわんにではなく、それを取り巻く登場人物たちの心の闇にある。ほぎわんが人々に恐怖を与えているというよりは、彼らの漠然とした不安や恐れがほぎわんという存在を形作り強化していると見た方がいいのかもしれない。
そういう訳で、この映画はお化けが人を驚かすのが怖いというよりは人間の内面のドロドロさが怖くなるように描かれており、もしかすると一般的なホラー映画の観念からはやや逸脱する作品なのかもしれない。さらに終盤に至っては、さながらほぎわんvs人間のバトルロワイヤルが開幕するため、恐怖より前に視覚的な刺激がやって来る(映像の切れ味の良さもこれを増幅させている)。

普段ホラー映画は避けているが、これだけはフルで鑑賞することができた。
イホウジン

イホウジン