ぼりひろ

来るのぼりひろのレビュー・感想・評価

来る(2018年製作の映画)
2.9
「ヘレディタリー/継承」を見て今作を思い出したので書き込む。
ストーリーや世界観はかなり似ていると思うんだよね、ヘレディタリーと。
何よりどちらもいいようのない居心地の悪さと血縁主義を織り交ぜたテイストだった。
しかし「来る」はこの居心地の悪さを「日常生活でこんな瞬間あるよね」というあるあるネタとして消費している印象。
雑多なシーンの大量消費は中島監督の特徴であり、「嫌われ〜」「告白」「渇き」は個別主義的世界観の話なのでそれが恐ろしくマッチしていた。それが「来る」では裏目に出てしまったのかも。
そもそも今作はホラーの皮を被ってはいるものの、内実は霊能力者と化け物の頂上決戦を描いたファンタジーアクションなので別に怖くなくて構わない。しかし原作で軸になっているはずの血縁や因縁といったものが軽滑りしているためにラストの決戦にカタルシスを感じられなかったんだと思う。
若い家族に呪いが伝播していく恐怖とそれに立ち向かう霊能力者というところでは「死霊館」も該当する。「来る」を見ようとしているならこちらの方をまず観ることを勧めたい。
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