ゆき

あの日のオルガンのゆきのレビュー・感想・評価

あの日のオルガン(2019年製作の映画)
3.7
文化的生活

第2次大戦末期。戦渦で園児たちの未来を守るため、疎開保育園で闘った保母たちの姿を描く。

全く知らなかった「疎開保育園」。
戦争を体験したことない身には、劇中一気に色のトーンが落ちる瞬間よりも「気付けば戦争がいつもそばにいる。ずっと追いかけてくる」という言葉の方がずっと重かった。
天真爛漫という存在は救いにもなるけれど、火の粉のようにじわじわと傷つけることもある。
全員がしんどい中で受け入れる側も偉大。
観劇後に伺った監督さんの「終わりなのい24時間保育」という発言。
この作品の軸は子供の無垢さでも戦争の酷さでもなく“命を繋ぐ”ことにあるんだなと思った。
女性監督ならではの温かみある一作でした。
ゆき

ゆき