Yoshmon

大英博物館プレゼンツ 北斎のYoshmonのレビュー・感想・評価

3.7
大英博物館にて昨年行われた展覧会”Hokusai: Beyond the Great Wave”。

その仕掛け人の中心人物、研究家ロジャー・キースと当博物館キュレーター ティム・クラークを中心に江戸後期に生きた葛飾北斎の人生と彼の作品を追っていくドキュメンタリー。

ナレーションはアンディ・サーキス。エンドロール出るまで気がつかなかった。

"110歳でようやく完璧な技術を手に入れることができる"。

歳を重ねるごとに技量は極められ、齢110では作品に命が吹き込まれるとの信念を持ち作品づくりに向き合っていた北斎。

今自分が身を置いている環境の働き方の前提にある考え方はプロスポーツのように経験や知識の積み重ねのみならず年齢(若さ)もかなり重要。
対照的なひたすらの積み重ねによる成熟を達成できる働き方もまた良いもの。

北斎の作品を見て熱く語るロジャー・キースとティム・クラーク。
あれだけ多くを感情的に語れるのは、作品が彼らに対して語ってきていることの多さを意味する。
その芸術作品に対する感受性はただただ羨ましいばかり。

高精細なカメラを使って、使っている色の調合だけじゃなく、重ね塗りをいかに進めてたどり着いた作品であるかを深く探求する愛着もすごく伝わってきた。

この作品の中心にいるのが、日本人でなくイギリス人であることに、ここ日本から世界から認められる偉大な画家が生まれたことにも誇らしく思う。
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