シトリン

半世界のシトリンのレビュー・感想・評価

半世界(2018年製作の映画)
4.0
描いた人生になってるか?

脚本も芝居もとにかく素晴らしい。
オリジナル脚本の良さが溢れている。

稲垣吾郎は上品にワインを飲んでるのが勝手なイメージだけど、本作では少々くたびれた炭焼き職人の中年男。
スタイリッシュでカッコよく見えるけどどこか頼りにならないお父さん像。
学生時代の3人組に戻ればふとバカはしゃぎする姿がノスタルジックで新しい顔というか意外にもよくやれていた。

また、子供の事を任せっきりだし、金銭面の話をするとすぐ喧嘩口調になるし。
一見駄目夫かと思うも、妻に言われば仏壇の灯りを消し服を着替えさせようとしそのまま押し倒されキスを受け止めセックスにも応える。
同窓会に行くと言えば元彼の事を気にする。
長年連れ添ってきた空気が絶妙で面白い夫婦だ。

好きなシーンはたくさん。
光彦の中古車販売店のラジオ体操
いじめっ子のサングラス
先輩の「焼場遠いから窯を貸せ」
瑛介の狂った格闘
初乃の愛妻弁当

好きな台詞もたくさん。

甘ったれるんじゃないよ。
それ意味逆でしょう!

豚は豚を食わないだろ。
根性あれば食べます!この根性なし!

この映画もやっぱり池脇千鶴に心持っていかれます…

しかしあの留守電は消せないよね。
悲しい。

夫婦で観たい邦画No1