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平方メートルの恋のくりふのレビュー・感想・評価

平方メートルの恋(2018年製作の映画)
4.5
【最上階の間取りに、最上の愛を込められるか?】

Netflixにて。2018年のヒンディー映画で、見るの後回しにしていたが…こんなに善い映画だったか!

インドの住宅事情を背景にした、持ち家を得るため偽装結婚しようとする、若きカップルのすっきりラブコメ。邦題は原題『Love Per Square Foot』に近いみたいね。

出だしは割と、まったりだが、各人の事情掘り込みが始まるとそーだよねえ…とシンクロしてしまう。爆笑修羅場もきちんと用意され、それを乗り越えた二人に待っているものは…王道だけど、心泣きします。

主演のヴィッキー・コウシャルは、何本か見ていますが、柔らかイケメンで嫌味なく、本作でも好演。対するダブルヒロインに、負け気味になるバランス感覚がいい。キャラがとても活かされています。

オトコなら誰でも喰われそうな肉食獣、美女ボスのアランクリタ・サハイはモデル出身らしいが、本作の欲望頂点役に見事ハマっています。彼女の暴走があるからこそ、コメディとして加速する。

後半、存在感をぐいぐいアゲてくる本命?ヒロイン役アンギラ・ダールはしっかり者で、しっかりぶりを好演するが、少女の面影を残しめっちゃカワイイ!インドでは珍しいタイプでは?日本人に好かれそう。

脇役も皆、そつがないですね。各人ちゃんと適切に盛り上げる。最高の祝いの場が、キリストvsヒンズーのバトルになるところ等もまあ、温いけれど、気質のギャップは面白く描かれています。

ネフリが配給権を得て、その後、インドでは劇場公開もしたようですね。それだけの質を持った映画ということでしょう。今後も、このレベルのインド映画を配信してほしい。期待しています。

ラストに、サプライズ・ゲストが登場するが、時期的に、ヴィッキーも出演していた某作への目配せだろうか?

<2020.4.2記>
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