藻類デスモデスムス属

芳華-Youth-の藻類デスモデスムス属のレビュー・感想・評価

芳華-Youth-(2017年製作の映画)
4.0

ジャケット写真から、とても美しく、まばゆいものをみるのだと思っていた。実際にはみていて、快くない感情をもたなかった時の方が少なかったし、厳しく、陰惨な印象さえあった。久しぶりにメモを開いて、「美化した思い出ではなく記憶の中にある美しいものを描く」という書き置きを見つけ、あながち間違っていないのではという気がした。美しい記憶ではなく、記憶の中に美しいものをもつ人を撮っているのだとすれば、美しいものそのものが自分にみえなかったとしても納得できるし、その人の中にそれがあるのをみたと思える瞬間はあったのだから。それでも、その美しいというのは外からみた形容であって、彼女たちがその記憶に美しいものをみているか、ましてや美化しているかといえば、そうではない気がした。じゃあ、どう感覚しているとかといえば、全身で覚えているような、身体ごと引き戻されるようなもの、時には痛いほど、それを言い表そうとして、みつかったのはやはり「芳華」だった。