何にも知らずに観たもんで、すっごい金がかかっていて驚いた。撮影の美しさにも驚いたし、全体的に長回しのシーンが多かったのも驚いた。
以前観た『小さな村の小さなダンサー』思い出したけど、時代設定近いのかな?それにしても、1970年代後半でこんな感じだったとは驚愕。
キャラクターが多いうえに、みんな似たような格好していて人物の区別がつかない苦手な映画だー、って一瞬思ったけど、全然大丈夫だった。
中国版ミュージカル映画感もあって、ダンサー達が実際に踊っている凄さはびんびん伝わってくる。あと、テレサ・テンの凄さも伝わってくる。『ラ・ラ・ランド』オマージュの(?)プールシーンもあって笑った。
野戦病院へ舞台が移ってからは一気にきな臭くなって、作品のトーンが変わり、立て続けの長回しシーンにやられる。
特にベトナム兵とのゲリラ戦、からの楽団、ディンディンの歌唱シーンは圧巻。ただ、ちょっと思ったのは、ここで敵兵もちゃんと描いてほしかったかも。この描写がなかったおかげで、その後の自己憐憫感と、いい気なもんだな感が若干感じられてしまったかと思った。
シャオピンが心壊してからはけっこうもろもろ唐突な印象だったけど、なんだかんだ後日談が素晴らしくて、この後日談を観ることで、この映画が青春についての映画だったということが分かる。
そう思うと序盤のなんでもないようなシーンの過剰なまでの美しさに(豚を追いかけるシーンとか)も納得がいった。まさに「やるせない歳月」。
ただ、このテーマなら戦争というモチーフが必要なかったのかも、とも思った。
『不幸せだった人だけが善良な人を見分けることができる』