激動の1970年代中国を背景に、社会情勢の変わり目の中で青春を謳歌する若者たちの生を切り取った青春群像ドラマ。
ひとつ屋根の下、共同生活をしながら軍を鼓舞するための歌や踊りを鍛錬する10代の男女たち。
観客への挨拶とも取れる冒頭、笑顔の美女たちが、きっちり足並みを揃えて舞い踊る姿を捉えた学校内の長回しシーンから説得力が段違い。これを見せられたら何も言えぬよ。
元々役者が歌って踊れたのか、踊れる人を役者にしたのかはわからないが、俳優陣はみなポテンシャルが高い。
そして、まるで絵画のような確信的な構図と豊かな色彩美が、瑞々しい役者の演技と重なり、より一層物語の鮮烈さを増幅させている。
中国映画の“映像で魅せる”圧倒的な画力には本当にかなわないなぁと思う。
ただ、ストーリーについては内容の盛り込み方が雑な印象。時の経過によってメインの人物がブレるのも悩ましい。
もっと焦点を絞り、穏やかな展開はできなかったのだろうか…。
最後も駆け足すぎて説明力不足が否めないし、シャオピンを病に冒す意味もよくわからなかった。そんなに簡単に回復する病ではないはず。
