垂直落下式サミング

ザ・リチュアル いけにえの儀式の垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

3.8
長年の親友たちが、スウェーデンの森を抜けるハイキングの旅に出かける。数ヵ月前の悲劇を振り切ろうと歩みを進める彼らを、森のなかで想像を絶する恐怖が待ち受けていたのであった。
大好き。フィンランドっていう国は妖精がたくさんいてとてもいい。北欧を舞台にして『もののけ姫』のような世界観をだしてくるのは、好みのど真ん中すぎて…。好きを抑えきれない。
妖精は、綺麗だったり可憐だったりするようなメルヘンチックな姿かたちをイメージさせる言葉だが、真っ暗な暗闇のなかにいる奴らは、要はキリスト教布教以前に小汚ない農夫や辺境の蛮族たちが先祖代々信仰していた自然神の総称であり、それらは神に祝福されなかった種族の生き残りであり、異教の魔物と括られる。それらのなかには、涎だらっだらで人に害をなすものたちが存在しても不思議ではないのかもしれない。こういう、都合のよくない世界観がとても好き。
俳優たちもとてもよかった。ハイキング中は、登場人物たちの何気ない会話が続くから、自分もメンバーの一員になって歩ってるような親しみを感じたまま、一緒に暗黒の森のなかへと突き進んでいく雰囲気がいい。
モンスターの出し方も上手い。ほとんど全体像は出さないけれど、主人公と対峙するときの切迫感の演出には大いに効果をあげていたと思う。