ロイ

大地は怒るのロイのネタバレレビュー・内容・結末

大地は怒る(1947年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

視聴動機はジャズのスタンダードナンバーになっている『On the green dolphin street』の元ネタを聴いてみようというもの。

配信サービスはなくて、ツタヤ渋谷店でやっと見つけて借りた。

この映画の話題は聞いたことないし、視聴動機がジャズの元ネタ探しだっただけに内容にはさほど期待していなかったがなかなか良かった。

想像以上に波乱万丈な展開。

主人公ウィリアムは引っ越し先の隣人の娘二人と仲良くなり、権威のある娘の父の好意で海軍士官学校に入学させてもらう。

出張先の中国で不注意から事件に巻き込まれ中国に置き去りにされ、路頭に迷うところをグリーンドルフィン号の船長の世話のもとニュージーランドに送られ、材木運輸の職につく。

二年後ウィリアムはニュージーランドから祖国の英国に住む恋仲のマルゲリートの実家に婚約願の手紙を送る。
しかし酔って書いた手紙の名前の記載ミスから好きでもないマリアンヌと結婚する結果に(本当はマリアンヌの妹のマルゲリートが好き)。

マルゲリートは恋人、次に母、父を失い尼僧になる。

マリアンヌは以前からウィリアムを愛しており結婚を快諾するも、愛されぬ不信感を密かに感じながら異国の地ニュージーランドで不安な結婚生活を送る。

二人は結婚生活の中、大地震、津波、部族による襲撃により散々な目に遭うも、マリアンヌの類稀なる商才により建て直す。

そんなマリアンヌが久しぶりに戻った故郷でマルゲリートに向けたウィリアムの恋文を見つけ真実を知るという切ないストーリー。


実は姉妹の母親ソフィーは、両親の勧めで愛していない男と結婚し2人の姉妹を授かった。

ソフィーの旦那は妻の気持ちが他の男(ウィリアムの父)にあることを知りながらも尽くし、いつか愛が芽生えるのを、そしてその愛を言葉で表現してもらうのを密かに心待ちにし、ついにその言葉が聞けた時には妻は病床で息を引き取る寸前だった。旦那は心底喜び、ウィリアムの学費を出したことも妻の真実を知った上で、妻の愛した男性の息子を気遣い進んでやったことを打ち明ける。

この姉妹の父親の辛抱強さと心の広さは海より深い。

先には書かなかったが友人のタイも懐深い。

40年代の映画に詳しくないからわからないが、津波シーンの迫力はこの時代にどう撮影したんのだろうと目を見張った。

そしてこの時代のヒロインは本当に美女。
ロイ

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