horaAya

積むさおりのhoraAyaのレビュー・感想・評価

積むさおり(2019年製作の映画)
3.8
スクリュー音?と思ったら筋トレだった😂玄関からパンで境界を間に作った構図に持っていく冒頭で既に引き込まれるし、その筋トレと犬の吠え声等々「音」が観客に関係性を提示する起点となるだけでなく、関係性そのものの亀裂の入り方がボリュームとなって表れているのも良い。亀裂なかったらほぼ聞こえないと同義だもんね。そんでマジで聞こえなくなる(聞こえなくする)という彼女なりの対症療法であり諦めであり…がパーソナルに進行していくのが素晴らしい。そもそも筋トレって究極的な「個人技」だもんね。その選択だけで心的な奥行きは十分に伝わる。絵についても奥様とは反対側の手が定まらないというのも筋トレだけでなく性差そのものであり、見えない部分が本当に見えない(誰の手を握る?)ことでもあるわけだし、妻は箸、夫はナイフとフォーク、時間の跳躍で家事という2人の関係性への時間の使い方を2人の間で対比というところもアザトイくらいに徹底している。穴を主軸にして心的対症療法・応急処置を繰り返し続けることを永遠に強制されるのは耐えられない地獄だと思う。短編だからこそ許される表現の一辺倒なあざとさはあれど、この監督ネンドとか撮ってる場合じゃないよ!
horaAya

horaAya