ローズまりぃ

フラットライナーズのローズまりぃのネタバレレビュー・内容・結末

フラットライナーズ(1990年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

219本目。
夢と同じで自分の記憶系が呼び起こされるんじゃないかって思ってたけどなるほど…罪悪感を掘り起こしそれが幻覚になってずっと付き纏う感じなのか。結末には納得いかないしもう少し恐ろしい代償でもよかったけどリメイク版も観てみようとは思えた作品。


舞台はアメリカ、シカゴ。医学生ネルソン・ライトは朝日を前に「死ぬには絶好の日だ」と呟いた。死後の世界に興味を抱く彼はある実験を思いつく。薬品や医療器具で心肺を停止させ一時的に「死」を体験するという内容だった。蘇生には協力が必要なのでネルソンは同じ医学校に通う友人レイチェル・マナス、デヴィッド・ラブレシオ、ジョー・ハーレー、ランディ・ステックルの4人に声をかける。友人達は危険過ぎると反対するがネルソンの意志は固く仕方なく協力することに。夜修復中の美術館に忍び込んだ5人。臨死状態をつくるための薬品や医療器具を用意しついに禁断の実験がスタートする。心電図がフラットラインを示した瞬間ネルソンは不思議な映像を見る。幼い自分、犬、木に登っている少年。心肺停止から1分後デヴィッド達が蘇生処置を施しネルソンは生き返った。ネルソンは呆然として多くを語らなかったがジョーは世紀の実験が成功したと大喜びする。次は自分が被験者になるとレイチェルが言い出すがより長い臨死時間に挑むと宣言したジョーに順番を奪われてしまった。実験の日ジョーは婚約者アンに電話をかけ不安を払拭しようとする。彼は婚約者がいるにも拘らず大勢の女性と関係を持ちその様子を隠し撮りするという下劣な趣味を持っていた。夜再び美術館に集まった5人はジョーの臨死実験に挑む。ジョーの前に現れたのは今まで関係を持ってきたたくさんの女性達。時間はかかったものの無事蘇生したジョー。しかし何かに怯えている様子。レイチェルは次こそ自分がと立候補するが心配するデヴィッドが彼女より長い臨死時間を宣言したため次の被験者はデヴィッドになった。デヴィッドの実験の日ネルソンは気付くと犬の鳴き声を追って暗い場所を歩いていた。そして臨死体験の中見た少年が現れ酷い暴力を振るわれる。顔に怪我を負ったまま美術館に到着したネルソン。遅れてやって来たジョーも顔色が良くない。そんな中行われた臨死実験でデヴィッドは黒人の少女を見る。蘇生したデヴィッドは自分の全てを見せられたような気分だと話した。
翌日。デヴィッドは夜に実験を受ける予定のレイチェルに思いとどまるよう声をかける。しかしレイチェルには死後の世界を見たいという強い願望があった。彼女は近しい身内を亡くしているのでその人が今幸せなのかどうしても知りたかった。その後デヴィッドが1人で電車に乗ると突然臨死体験中に見た少女が現れた。一瞬のことだったが強い恐怖を感じたデヴィッドはレイチェルの実験を阻止しようと急いで美術館に向かう。しかし駆けつけた時既にレイチェルは臨死状態にあった。すぐに蘇生させようとするデヴィッドだがレイチェルはなかなか目を覚まさない。彼女は幼い日の記憶を見ていた。決して入ってはいけないと言われていた部屋を覗き父親の後ろ姿を見る。レイチェルに気付いた父は家を飛び出し自殺してしまった。
何とかレイチェルの蘇生に成功したデヴィッドは電車で見た少女のことを話す。彼女の名前はウィニー。小学校時代の同級生で当時デヴィッドは彼女のことをいじめていた。するとジョーも過去の幻影を見ると言い出した。隠し撮りをした女性達が次々現れるというのだ。それを聞いたネルソンは自分も幼い頃いじめていたビリーという少年を見ると白状した。ビリーは度々現れては酷い暴力を振るうそう。「生き返る時過去の罪を持ち帰った。霊と共に」と話すネルソン。この実験の被験者達は自分の潜在的な罪悪感に起因する幻覚を見るようになったのだ。この副作用を黙っていたネルソンにデヴィッド達は激怒。そしてレイチェルの前にも自殺した父が現れるようになった。
実験以降幻覚に襲われ疲弊していくデヴィッド達。ジョーは盗撮ビデオの存在がアンにばれてしまい婚約を解消されてしまう。デヴィッドはウィニーを探し出し1人でいたくないというネルソンを連れて彼女の家を訪ねた。ネルソンを車に残しデヴィッドはウィニーに謝罪する。彼女は歓迎していない様子だったが最後にデヴィッドを呼び止め「ありがとう」と口にした。それを聞いたデヴィッドは罪を償えたと感じ幻覚から解放される。車に戻ると車内では突然現れたビリーにネルソンが襲われていた。慌てて助けに入ったデヴィッドだがそこにビリーの姿はない。全てネルソンが無意識に行っていた自傷だったのだ。デヴィッドはジョー、ステックルと合流しネルソンの贖罪のためビリーを探して欲しいと頼んだ。過去の罪と向き合いそれを贖えば幻覚は消えると考えた。自分はレイチェルに寄り添い涙を流す彼女を励ました。ネルソンはジョーとステックルを連れビリーのもとに向かったがそこは墓地だった。ビリーは既に死亡していた。驚くジョー達に「俺が殺した」と語るネルソン。9歳の時ネルソンは木の上に逃げたビリーに石を投げていじめていた。ネルソンが投げた石が当たってしまいビリーは木から落下し死亡してしまった。ネルソンはビリーにどう償えば良いのか苦悩するがある方法を思いつきその場から走り去る。彼は1人で臨死実験に挑み死をもって償おうと考えたのだ。ジョーから連絡を受けデヴィッドはレイチェルの部屋から飛び出した。1人になったレイチェルはまたも幻覚を見る。入室を禁じられていた部屋に入ると父の後ろ姿が見えた。ゆっくり手元を覗き込むと彼は薬物を注射している。父が自殺した理由を知り涙を流すレイチェル。向かい合った親子は抱き合って互いに謝罪し、レイチェルの贖罪は果たされた。
一方ジョー達と合流したデヴィッドはビリーの死を知らされ急いで美術館へ向かう。レイチェルも駆けつけた美術館では既にネルソンが臨死状態に入っていた。デヴィッド達は必死に蘇生を試みるがネルソンの意識は戻らない。ネルソンは臨死体験の中でビリーに追いかけられていた。木に登ったネルソンは泣き叫んで謝る。ビリーが投げた石に当たり木から落ちて地面に叩きつけられるネルソン。そんな彼にビリーは優しく微笑んで去って行った。許されたと感じたネルソンの耳に蘇生を試みるデヴィッド達の声が届く。その声の方向へ走り出したネルソンは奇跡的に蘇生した。安堵するデヴィッド達に「今日は死ぬのに良い日じゃなかった」と呟くネルソン。彼が「ありがとう」と呟きこの映画も終わりを迎えた。
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