1年後に東京に彗星が落ちてくる。
その時・・・
伊坂幸太郎『終末のフール』を思い出す。
こちらは、8年後に小惑星が衝突し、
地球は滅亡する。という設定だから違う
といえば違うけど。
『東京彗星』は1年後で、東京限定。
短編だし、予算も多くないだろう中、
どうなのかな、そう思ってたけど、
面白かった。
安っぽさを感じることもなかったし。
彗星が間もなく東京に激突するという中、
短編ならではの小さな範囲での人々の
生活や葛藤を描いている。
両親のいない兄弟を中心に1年を
テンポよく描いていく。
ニュース映像や街の雰囲気は上手く
撮られていて緊迫感が伝わってくる。
映像のクオリティが思っていたより
高かかったからだろうと思う。
ただ、意外に衝突が大したことない
ように見えたり、その後の生活も復活
してたりと、後半は少し物足りなさを
感じた。
衝突が発覚してからの地価の暴落や
経済の混乱が新鮮な視点だっただけに
少し残念
(設定としては東京限定の小さな隕石だから、そんなものなのかな)
それにしても、
地震、津波、彗星衝突、人間ではどう
しようもない大きな自然災害は
人の暮らしをあっけないほどに強奪して
いくことに、改めて恐怖を感じた。
ラストはちょっと怖かった。