MasaichiYaguchi

おるすばんの味。のMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

おるすばんの味。(2017年製作の映画)
3.5
日本大学芸術学部映画学科出身の若手監督・武石昂大さんが、大学在学中に自主的に制作し、第5回八王子ShortFilm映画祭学生部門グランプリを受賞したほか、第71回カンヌ国際映画祭でも上映された短編作品は、母と娘の絆をしみじみとしたタッチで描く。
母親と二人暮らしの少女みゆきの夕御飯は、いつも決まって母が作り置きしておいたカレーだったが、或る日、寂しさから母の作ったカレーを流しに捨ててしまう。
それから14年、20歳になったみゆきはスーパーで忙しく立ち働く日々を送っていたが、ちょっとした切っ掛けで在りし日が蘇り、衝動的に或る行動に走っていく。
おふくろの味は人によって様々だと思うが、みゆきにとってはカレーライスだったのだと思う。
私にとっては、やはり味噌汁だったり、卵焼きだったりする。
時に口煩く、干渉してくる親の存在は煩わしくもなるが、離れてみれば寂しくなったり、そして自分が親の立場になって初めて、その気持ちや行動が分かるものかもしれない。
だから、「孝行したい時分に親はなし」にならないように努めたい。