りょう

ここは退屈迎えに来てのりょうのレビュー・感想・評価

ここは退屈迎えに来て(2018年製作の映画)
3.7
学生の頃の思い出とかってやっぱりキラキラしてるし、あの頃に戻りたいなって思う時もある。もういい歳になって、学生の頃はもっとまともなしっかりした大人になってるつもりだったけど、中身はほぼ変わらないし、その頃の友達と集まればいつも同じ思い出話。

どんどん思い出は美化されていくけど、知らなかった方がいいこともあるんだな。自分が相手と過ごした時間の大切さと、相手が自分と過ごした時間の大切さは全く異なるんだなと思った。

印象に残ったシーンは門脇麦が明け方ラブホから抜け出すシーン。椎名と共にいたこと自体が自分のアイデンティティになってて、他者に依存している状態。そこから自分で免許取る=主体性を持っていくという流れで。遠藤に免許取る金くれって言ってるけど笑
そう言った意味で山内マリコ作品として「あの子は貴族」と通ずるものがある。

ただ、橋本愛、成田凌、内田理央、岸井ゆきの、渡辺大知と好きな俳優が沢山出ているけど、何となく映画全体としてのまとまりがないように思えて、締まりが悪かった感じがする。

東京に行っても何者にもなれなかった人、東京に行って主体的に何者かになろうとする人、ずっと高校生でいたかった人、色んな人生があるけど、「ここは退屈迎えに来て」ではなく、この作品の最後のセリフ「超楽しい」って自分が言える、そういう幸せを求めたいと思えた映画でした。
りょう

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