てんやもん太郎

ここは退屈迎えに来てのてんやもん太郎のレビュー・感想・評価

ここは退屈迎えに来て(2018年製作の映画)
4.1
よかった。
田舎らしさって綺麗な風景とか、温かい人とか、厳しい自然とか、
そんなのではなく、
車での移動時間に尽きるというのがなんだか確かになーと感じた。
『ここは退屈迎えに来て』というなんとも受動的なタイトルもとてもいい。
誰一人能動的に生きられない。
成田凌の妹を除いて、誰一人、抜け出そうという意思がなくなっていく。
次はどんな景色を見ることが出来るのだろう。

高校生の頃のあの頃って、多分たくさんの錯覚があるんだと思う。
でもその錯覚こそが青春なのだと感じている。
視野が広くなる、いろんな考えができるようになることが大人になることなのかわからない。そしてそれがいいことなのかもわからない。
大人になって社会に出て、その錯覚である青春を、さらに錯覚してしまい、美化してしまう。
そしてその錯覚、思い出は、自分だけのもので、
人と共有したり、確かめたりするものではないのだ。
あの時は、自分の中にしかないのだ。

成田凌よかった。現在の色々挫折して、落ち着くとこに落ち着いて、生活に疲れたというか、馴染んだというあの感じ。
みんなが憧れた面白い人が、収まるところの収まるという、あの感じ。
岸井ゆきのが「つまらない人」というセリフ。
愛がなんだのゴールデンコンビではないか!!