しめちく

ヘレディタリー/継承のしめちくのネタバレレビュー・内容・結末

ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

海外のホラーは、いくらゾワゾワさせられても結局悪魔崇拝とか宗教に関するところに着地するので、今回もそれか……となったのは事実なのですが、それを踏まえてもとてもおもしろかったです。

物語の核であると思われた娘(ポスターにも載っているので)が序盤で死に、どういうこと?!となっていると次は母親視点に変わる。
母親は夢遊病者で、贔屓目に見ても精神が衰弱しておりそんな彼女の目を通されても視聴者はなにを信じていいのかわからない(本人はもう夢遊病は完治していると言いますがそれがまた)。
娘が死に、その原因である息子を責めきれぬまま地獄のような日々を送る母親に手を差し伸べる女性…優しいけどその優しさが怪しい……
父親は唯一まともで人格者でもあるので、そんな彼がいつどう死ぬかもヒヤヒヤもの…

息子は息子でいつも通り生活しようとするけれど自分にしか聞こえない音や幻覚(?)につきまとわれ、精神がやられていく。

描かれる闇は黒そのもので、音楽で脅かすような描写はひとつもなく(むしろ音はあまりありません)なんだか嫌な予感がする、の連続でジャパニーズホラーに近いものがあります。
ちなみに最後にアリアスターみが爆発したかなと思います(笑)

ミッドサマーは眩しいくらいの白で、なにもかもを映し出すような嫌な明るさがありましたが、この作品は目を凝らしてもぼんやりとしか視認できない闇への怖さみたいなものがあります。
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