2021/8/14鑑賞。76点。
＜見所＞
・映画の中に出て来るドールハウスには、物言えぬ不気味さがある
・地味にジャケット詐欺。このジャケットだと女の子がヤバイのかと思うので、その意外性も◎
＜あらすじ・ネタバレあり＞
ドールハウス・アーティストのアニーは、母・エレンを亡くす。母だけでなく、父や兄も既に他界しており、3人とも精神障害が死の引き金になっていた。
アニー自身は夢遊病に悩まされており、夢遊病のせいで、眠っている家族の体に放火しかけた過去を抱えている。
母の死で精神的な不安がさらに重くなったアニーは、グループカウンセリングに出席して、少しでも和らげようとする。
ある日、アニーの長男・ピーターが、高校の友達とパーティーに参加すると言うので、13歳の長女・チャーリーも連れて行かせる。
パーティーで出されたケーキを食べて、チャーリーがアレルギー反応を起こしたので、ピーターは妹を車に乗せて病院へ向かう。
車道で動物の死体を見つけたピーターがよけようとハンドルを切ったところ、窓を開けてゲロを吐いていたチャーリーの頭が電柱にぶつかる。
チャーリーの頭部は吹っ飛んでいた。
チャーリーの死により、アニーとピーターの関係は悪化。
アニーは、グループカウンセリングで出会った女性・ジョーンも2人の孫を失った過去があると知り、彼女に対して心を開く。
「困った時には頼って」と言葉をかけられたるアニー。
アニーは娘を失った苦しみに耐えきれなくなり、ついにジョーンに連絡を取る。
ジョーンから「降霊会に参加して、孫達を見た。あなたも救われて欲しい」と言われる。
半信半疑でアニーは、ジョーンの行う降霊術に参加。そこで、彼女の行う儀式によって孫の霊が現れるのを目撃する。
ジョーンは、アニーに降霊の儀式について説明する。
家族全員を集めて、ろうそくと故人の愛用品を用意し、【始まりの合図】を唱えるという儀式。
息子に憎しみの言葉を浴びせる悪夢を見て目覚めたアニーは、夫・スティーヴンとピーターを叩き起こし、降霊術を行う。
ピーターは不気味な存在を感じ取って不安になる。
アニーの話す声と死んだチャーリーの声が重なって聞こえ出し、スティーヴンはアニーの顔に水をかけて落ち着かせる。
降霊術は中断となる。
家族全員に異変が起き始める。
ピーターは、家や高校で幻覚を見るようになる。
アニーは、気がおかしくなって、仕事が手付かずとなる。
スティーヴンも、市販の精神薬を服用し始める。
夜、鉛筆の音が聞こえたアニーが、チャーリーの部屋に入る。そこで見たのは、鉛筆が独りでに動いてピーターの絵をスケッチブックに描いている様子。
ピーターは、チャーリーの気配を感じて目が覚める。背後から頭を引っ張られ、その強さはまるで頭をもぎ取ろうとするよう。
叫び声を聞いたアニーがピーターの部屋に入ると、もぎ取ろうとする手は消える。
危険を感じたアニーは、降霊術に使ったスケッチブックを処分するために暖炉で燃やす。だが、スケッチブックに火が広がると、それに同調するように自分の体にも火がついて広がり始める。
アニーは、処分が不可能だと察して消火する。
ジョーンの家を訪ねたアニーは、彼女の家の玄関マットと家族が持っている室内用マットが酷似していることに気づく。アニーが帰宅して家族の遺品を見て見ると、写真アルバムには母・エレンとジョーンが一緒に映る写真が収められていた。
ジョーンは、赤の他人のふりをしてアニーに接近していたのだ。さらに、アニーの予想通り、家族の持っている室内用マットはジョーンのマットと同じだった。
屋根裏部屋では、頭部のない母親の死体を見つける。
きわめつけは、【地獄の王 ペイモン】について記載された本。ペイモンは男の体にしか憑依できない、と本には記載されている。
アニーは、ペイモンをこの世に呼び出そうとするカルト教団に、母やジョーンが所属していたと察する。
ピーターが高校で外のベンチに座っていると、通りの向こうにジョーンがいる。
ジョーンは、「ピーター出て行け！」と叫ぶ。
授業を受けているとピーターは突然気が狂い、自分の顔を何度も机に打ち付ける。
気絶したピーターの身柄を、スティーヴンが引き取って家に帰る。
スティーヴンは、アニーに言われて屋根裏部屋へ行くと、エレンの首なし死体を見つける。
アニーが墓荒らしをしたと疑う。
スティーヴンは、ペイモンの話をし出したアニーからスケッチブックを燃やしてくれと頼まれるが、付き合いきれないと断る。
アニーは死を覚悟して、暖炉にスケッチブックを投げ込む。
すると、炎はアニーではなくスティーヴンの体に広がっていく。
アニーは、何かに憑依される。
目が覚めたピーターは、ツリーハウスの明かりがついていると気づく。自分の部屋を出た1階に行くと、焼死体となった父・スティーヴンを見つける。
人の気配を感じ取ったピーターが振り返ると、全身真っ白な男と天井に張り付く母・アニーがいた。
ピーターは、屋根裏部屋に逃げ込む。
ピーターは、目がくりぬかれた自分の写真とカルトの儀式の痕跡を見つける。
頭上で音が聞こえたので見上げると、こちらをじっと見て自分の首を切断するアニーがいる。背後には3人の真っ白な男。
逃げ場を失ったピーターは、屋根裏部屋の窓にダイブして落下。
ピーターは何かに憑依され、ツリーハウスに受かって歩き出す。カルト教団のメンバーが周囲を固めている。
ツリーハウスに入ると、チャーリーの生首が置かれた像があり、教団のメンバーたちは跪いて頭を下げている。頭部のないアニーとエレンの死体も、跪くような姿勢だ。
ピーターは王冠を被せられ、「チャーリー」と教団のメンバーに名を呼ばれる。
そして、魔王ペイモンがこの世に呼び出される。
アニーの家の壁には「地獄の扉よ、開け」の文字があった。
