鍋レモン

ヘレディタリー/継承の鍋レモンのレビュー・感想・評価

ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)
3.6
⚪概要とあらすじ
家長である祖母の死をきっかけに、さまざまな恐怖に見舞われる一家を描いたホラー。

祖母エレンが亡くなったグラハム家。過去のある出来事により、母に対して愛憎交じりの感情を持ってた娘のアニーも、夫、2人の子どもたちとともに淡々と葬儀を執り行った。祖母が亡くなった喪失感を乗り越えようとするグラハム家に奇妙な出来事が頻発。最悪な事態に陥った一家は修復不能なまでに崩壊してしまうが、亡くなったエレンの遺品が収められた箱に「私を憎まないで」と書かれたメモが挟まれていた。

⚪キャッチコピーとセリフ
“完璧な悪夢”

「どうか死なせて」

⚪感想
ホラー作品。

叫ばないタイプのホラー作品。

不穏と言うよりほぼ悪夢の現実化。
ずっとずっと嫌な方に進んでく。

この監督のショート作品も前に観たけど人間の嫌なところや不快に思うところを表現するのが凄く上手いと思う。

細かい伏線みたいなのが沢山あったけどその関係の知識がないから殆ど分からなかった。
宗教とかそっち系は勉強してないとなんの事やら。

グロい系統や虫が苦手な人にはおすすめできないぐらい結構きつい。

今作のアリーの夫スティーブが割とずっと部外者みたいな立ち回りなんだけど良い旦那さんでかっこよかった。めちゃくちゃ冷静だし、ご飯作ってくれるし。
後半めちゃくちゃストレス溜まってそうで可哀想だった。
まさかのガブリエル・バーンでびっくり。『ユージュアル・サスペクツ』『仮面の男』ぶり。

アリー役の女性は『シックスセンス』で母親役だった方かな。
表情やセリフの言い回しに迫力があり過ぎて声が出ないほどビビり散らかした。死ぬほど怖い。『シャイニング』に匹敵するレベル。

ピーター役の男の子は『ジュマンジ』の新しい方で出演していた記憶がある。

チャーリー役の女の子は写真と映画での顔が全然違うからなんか不気味に見えるようにメイクしているのかな?



⚪以下ネタバレ



エレンの葬式でチャーリーがチョコレートを食べだした時にナッツが入ってないか心配し出すのはもうアレルギーのフラグなのよ。案の定兄のピーターと行ったパーティーでナッツ入りのケーキ食べちゃうし。
ピーターが車を飛ばし始めてからの嫌な感じ。その速度は急に人出てきたら危ないよ、窓開けたら落ちちゃうよと心配させつつ鹿の死体を避ける時に電柱にチャーリーの頭がもぎ取られるって言う。しかもピーターがその時点では振り返らないから、次の日母親が車を使う時に頭のないチャーリーの死体を見て気づくって言う。そして頭は道路に落ちたまま虫に食べられているという。
この1連だけでトラウマになりそうなレベル。

ちょいちょい登場する家の中にあるメッセージ。
ジョーンの家でお茶を飲んだ時に着いてきた緑の何か。

悪魔ペイモンを復活させるための儀式。
エレンはアリーの兄では失敗していたようだもんね。ピーターには近づけなかったけどチャーリーには近づけた。チャーリーやアリーに男の子にって言ったのはペイモンは男の体が必要だから。でも既にチャーリーの体にはペイモンの魂が。
ジョーンはエレンが成し遂げられなかったことを成し遂げるために近づいたのかな。エレンはエレンで死んでもなお悪魔ペイモンの嫁になりたかったのだと思うとめちゃくちゃ怖い。

悪魔のどこが良かったのか。

⚪以下ストーリー(Wikipediaから引用)
プロローグミニチュア模型アーティストのアニー・グラハムは、長年疎遠であった母エレンが亡くなったことをきっかけにグループ・カウンセリングに参加するようになる。アニーはカウンセリングの席で、母が解離性同一性障害を発症していたこと、父が精神分裂病で餓死したこと、兄が極度な被害妄想が原因で自殺したことを語る。そして、自身も夢遊病に悩まされていることを告白する。彼女は先天性遺伝による精神疾患が、いずれは自分の子ども達にも発現することを心配していたのだ。序盤アニーの息子のピーター(16歳)は友人宅のパーティーに行くため、学校のイベントに参加すると嘘をついて母の車を借りようとしたが、アニーは妹のチャーリー(13歳)も一緒に連れて行くよう強制する。パーティーで一人きりにされてしまったチャーリーは、ナッツ入りのケーキを食べアレルギー発作を起こしてしまう。ピーターは妹を病院に運ぶため、車で夜道を無謀なスピードで疾走する。呼吸困難にもがき苦しむチャーリーが車の窓を開け顔を出したその時、ピーターが路上にあった動物の死骸を避けるためハンドルを切ったことから、道路脇の電柱とチャーリーの頭部が激突してしまう。ピーターはショック状態になり、誰にも事態を報告できないまま、自宅の寝室に戻る。その翌日、頭部のないチャーリーの死体を発見した母の、悲壮な叫び声が響き渡る。中盤チャーリーの死をきっかけにアニーとピーターは険悪な関係になってしまい、夫のスティーブは必死になって二人の関係の修繕しようとする。悲しみに沈むアニーは、グループ・カウンセリングで知りあったジョーンという老女と仲よくなり、ある日彼女の自宅に招かれ交霊会の儀式に参加する。そこでの体験を経て、アニーは交霊の儀式が本物であると信じ、チャーリーのスケッチブックを使い、自分も交霊の儀式を行い娘と交信しようと試みる。真夜中、アニーは夫と息子を起こすと交霊会に参加するよう強く説得する。交信は一旦成功するが、スティーブによって儀式は中断される。以降、ピーターは妹の幻覚を見たり、アニーに殺される悪夢にうなされるなど少しずつ精神が病んでいく。終盤チャーリーが悪霊になったのではないかと疑うアニーは、息子の身の危険を感じ、チャーリーのスケッチブックを暖炉で燃やそうとするが、その燃え方と同調するように自分の手も炎に包まれて驚く。「スケッチブックを燃やすと自分も燃える」というルールを知ったアニーは、スケッチブックの処分をあきらめる。さらにアニーは、自宅の屋根裏部屋で母の首のない腐乱死体を発見する。母の遺品を調べると、そこにはカルト教団のリーダーであった生前の母とジョーンの姿が映った写真が何枚もあり、「ペイモン」と呼ばれる悪魔について書かれた本を発見する。本にはペイモンが男性の肉体に取り憑くことを望み、その見返りに富をもたらすことが記されてあった。アニーはスティーブに屋根裏のエレンの死体を見せ、悪魔崇拝のカルトの実態を説明しようとするが、スティーブは夢遊病持ちのアニーがエレンの死体を墓から掘り返して屋根裏に遺棄したのだと思い込み、取り合わない。絶望したアニーは、自分も焼け死ぬ覚悟で再度スケッチブックを暖炉に捨てるが、今度はアニーではなく、スティーブの体が炎に包まれていた。それを目にしたアニーの精神は完全に崩壊し、絶望の慟哭を上げるが直後に彼女は何かに憑依される。ラスト眠っていたピーターが目を覚ますと、庭の木に据え付けられたツリーハウスの明かりが点灯していた。不審に思ったピーターが階下に降りると、暖炉の前でスティーブの焼死体を発見する。続いてなにかに憑依され、天井を這って移動するアニーと、全裸に不気味な化粧を施した見ず知らずの男を見て、ピーターは逃げ出す。襲いかかってくるアニーを振り切って屋根裏部屋へと逃げ込み、なんとか落ち着こうとするもカルト教団の儀式の痕跡を見つける。不気味な物音に目を上げると、天井近くに浮揚するアニーがピアノ線で自らの首を切断し始めていた。目を疑う光景に唖然としているところにいつの間にか全裸のカルト教団メンバーがたたずんでいるのを見てピーターはパニックに陥り、窓から外へ飛び出して地面に落下。失神する。弱ったピーターの体に、アニーの肉体に入った光が憑依すると、ピーターは目覚める。彼が周囲を見るとツリーハウスに頭のないアニーの死体が浮遊しながら入っていくのを見る。庭にいるカルト教団員に見守られながら、ピーターもツリーハウスの中に入っていく。そこにはジョーンと他のカルト教団員が集まっており、チャーリーの頭部が飾りつけられた像が祀られ、その前には首のないエレンとアニーがひれ伏していた。ジョーンはピーターに王冠を被せてピーターを「チャーリー」と呼び、悪魔ペイモンの復活を祝うのであった。

⚪鑑賞
GYAO!で鑑賞(字幕)。
鍋レモン

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