Monisan

ヘレディタリー/継承のMonisanのレビュー・感想・評価

ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)
4.0
観た。

冒頭から不穏だし。お婆さんエレンの遺影写真の違和感凄いし。娘のアニーの挨拶も全然愛情感じられないし。嫌ぁな始まり。

ミニチュアから実際の部屋に移り変わる所は面白いギミック。同ポジ、ひとコマで昼から夜に変わる等、映像的なトライアルも良い。

アニーのカウンセリングで話した自分の家系の精神疾患達。錚々たるラインナップ。これはアニーもやばそう。チャーリーは鳩の首を持って帰るなどこちらもなかなかに…

チャーリーの事故は、ピーター的には故意では無いんだけど。その後の対応もあって、狂ったように泣き叫ぶアニー。取り乱し方が尋常じゃない。

この辺りからはとにかく頑張れお父さん、という気分になる。なるべく冷静に対応しようとしている。
降霊の儀式あたりからはもう映画としても異常さを隠さない展開に。家でやってみようとするアニー、泣きじゃくるピーター。降霊されたまんまのチャーリー。

アニーは母親である、エレンがカルト信仰の王妃だと気づく。エレンの遺体も屋根裏に、お父さんはアニーの仕業だと考える。最早何が本当か、誰がまともか分からない。スケッチブックはお父さんに被害を…

教室で鼻を自分で強打するシーンが痛過ぎたピーター、寝室で目を覚ます。
こっからはめちゃくちゃ。走って追いかけてくるアニー、天井に張り付いての頭突きの連打は怖過ぎる。
屋根裏で浮いたまま首をリズミカルに刺すアニーだよね?もこんな画、初めて観た感覚。ふと脇を見ると醜い身体の高齢男女。ミッドサマーでもあったけど、アリ・アスターは中高年の裸を気持ち悪い演出に使うの好きなのね。

最後は悪魔の王、ペイモンに無事に即位して終わる。って…終わるのかい。何も救いが無い。

とても怖くてそこは良いし、内容も好きなジャンルなんだけど。好きな映画かと言われると違う。なんだろう。

アリ・アスター、脚本・監督。
監督の初の長編作品。
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