えいがのおと

美人が婚活してみたらのえいがのおとのレビュー・感想・評価

美人が婚活してみたら(2018年製作の映画)
3.6
残り物には訳がある。


表題の通り、30未婚の美人が婚活をする物語。


付き合う相手はいつも既婚者の美人が、ある日「死にたい」という感情を晴らすために、婚活を始める。
美人故に選び放題かと言えば、そうともいかず、いい人と遊び人感の強いイケメンのどちらに自分の運命を渡すべきか、苦悩の日々が描かれる。


前作「勝手にふるえてろ」でその名を轟かせた、大九明子監督の新作、漫画原作でシソンヌが脚本というキャッチーな本作。
劇伴担当も「勝手にふるえてろ」と同じということで、なるほど、これが大九さんの作風か、と感じさせられる。
ヨシモトが製作委員会に入っていることもあり、大九さんの作風も相まって、ユーモアを交えた展開は、心地よく安心感を持って見られる。
お得意の女性あるある的描写も流石だなぁと思わせるところも多い。


ただ、だからこそ、焼き直し感が強い。

こじらせた女の子が、恋と愛のどっちを選ぶかという命題が共通するため、どうしても前作「勝手にふるえてろ」を彷彿させてしまう。
あ、あの感じで!と言って撮らされたのかな?感だ。

そうなってしまうと、どうしても比較せざるを得なく、独立した視点で鑑賞するのが難しかった。


完全に作風ととるか、焼き直しととるかは個人に委ねられるところであるので、ある種ハズレはないという安心感で鑑賞できる作品ではないだろうか。