たむランボー怒りの脱出

四人の息子のたむランボー怒りの脱出のレビュー・感想・評価

四人の息子(1928年製作の映画)
4.0
フォードのサイレントで今のところ一番良かった。家族が食卓を囲むカットで上から射す光が完全にUFO!何か異常な画面だった!息子戦死の報を聞いた母の悲しみを照らす窓からの光は誰が見てもレンブラントでとにかく光の演出の過剰さ!僕はかなり好きなほう。
四人のうち三人を亡くした母がかつて皆で囲んだ食卓でその過去を幻視するシーンなんかも良い。二重露光で死者を写すというその表現の「型」が大好き。典型だからこそ泣ける。ああ、こういうベタな表現で、昔飼ってた犬や死んだおばあちゃんが目の前に現れたら…とか思うと目頭が熱くなる。そのもの自体が幻影に過ぎない映画においてこういった幻影表現をやるということ自体に切なさ、感傷がある。
これまでに挙げた印象的な場面もそうだし出征する息子たちの顔に母の手の影が射す場面もそうだが、宗教的な何かを感じさせる瞬間のある映画に、最近は特に惹かれるものがある。光や儀式的な身振り、ある仕草の「誠実さ」の強調、そういった要素は「聖」を感じさせうる。