月下香

5時から7時までのクレオの月下香のネタバレレビュー・内容・結末

5時から7時までのクレオ(1961年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

🌙2024.02.25_24-43

自分は病気かもしれないと
医師の診察結果を待つクレオの2時間

音楽とファッションがとにかく素敵。冒頭5分のタロットのシーンだけだけカラフルでその後はモノクロ。こういうところや映像の写し方とかの監督のセンスが本当に好き。「○時〜○時までのクレオ」というふうに時間を書いている発想も分かりやすいし面白い。

低予算だったから近郊のパリ市街でこの2時間の物語を撮ることになったそうだけど、低予算を逆手に取る発想がさすが。

ほとんどリアルタイムで2時間を映した映画だから何回かある移動のバスや車のシーンもほとんどカット無し。ただ毎回一緒に乗る相手が違うのとパリのリアルな景色を楽しむことができるから全く飽きない。

街の人々がみんなクレオのことが凄く見てるな〜有名人だからかな〜綺麗だからかな〜と思っていたけど、ゲリラ撮影だったらしくあれは実際のパリ住民らしい。

自身は病気かもと心配していたクレオがラストで癌と宣告されたけど前向きに生きると決める終わり方がお気に入り。

公園にて怪しげにナンパしてきたアントワヌ。一緒に医師の結果も聞いてくれてなんだこんだ良い人なのかな。彼は兵士でこのあともまた戦地に赴く。クレオが本当に癌だったようにこの2人がすぐにくっくつのではなく、厳しい現実的な展開もなんだか良いなと思う。また2人が再開できたら良いな。
月下香

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