井出

5時から7時までのクレオの井出のネタバレレビュー・内容・結末

5時から7時までのクレオ(1961年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

誰かにどう見られるかが重要な意味をもつ近代以降に発生した、かまちょの物語。
そんなときに自分のアイデンティティを安定させ、ガンをも受け入れるほどの本質を与えてくれるのは、ごく普通の男との恋だった。
私たちが求めているのは、よく評価してもらうことでも、厳しい批判に会うことでもなく、そういうのを全て忘れて、いまここを対等に共有してくれる人だった。
近代以降、私たちは自分の本質を失いやすく、確たる存立基盤がないことに苦しんでいるが、当然悪いことだけじゃない。どんな階層、地位、民族、国籍の人とでも、対等に恋ができうるような自由を得たのではないか。そんなにパキッとは言えないけど。
井出

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