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5時から7時までのクレオのmykrのレビュー・感想・評価

5時から7時までのクレオ(1961年製作の映画)
3.5
再鑑賞。
女性シンガーのクレオが診察結果を待つまでの2時間を時間を追って描いた作品。
自分は癌かもしれないと怖くて落ち着かないまま、カフェに行ったり帽子を買ったり彼氏に会ったり音楽家と歌いながら次の曲の話をしたり友達と行ったり公園に行ったり…

60年代のヨーロッパ映画に出てくる女性って、表情がコロコロ変わる情緒不安定なキャラが多い気がするのだけど、今作のクレオも癌かもって不安を抱えてるもんだから終始情緒不安定で、でもそれが可愛くて愛おしく思えてしまうのは、演じる人と演出側のうまさだな〜と思う。

モノクロでも伝わるパリの街並みが素敵で見ているだけでも楽しいし、フランス映画っぽいテンポの良い会話劇も飽きさせなくて好き。
ただストーリーがどうこうというわけではないので演出を楽しめるかどうか系映画だと思います。

ゴダールとアンナ・カリーナのカメオ出演もだけど、劇伴を担当している、ヌーベルバーグには欠かせない音楽家ミシェル・ルグランの出演シーンには思わず釘付けになりました。
ピアノを弾きながら歌うその曲たちも普通に良くて。
ルグランファンにはたまりませんでした。
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