日本で初めて辛子明太子を販売したふくやの創業者・川原俊夫氏の伝記を基にした作品。
戦後間もない昭和30年代の博多で食料品店“ふくのや”を営みながら明太子で人々を幸せにしようと奮闘する海野俊之と周囲の人々が織りなす人情コメディ!
そういえば最近はこういったザ・人情モノってあまり見かけなくなったような気がします。
でも泣いて笑って出来る作品って本当に素敵で、観終わった後の清々しい気持ちはこういう作品ならではって気がします。
普段何気なく食べている明太子ですが、さらに明太子が好きになりました。
それってつまり“食”っていうのは強く人の感情と結びついているって事だと思うわけです。
作中では戦争の場面も少しあったり、悲しい展開もあったりするのですが、それらも全て笑いで覆ってくれて、その根底には人の幸せを願いながら作られた明太子があって、あぁやっぱり人間にはドン底からでも幸せになろうと支え合う力が備わっているんだなぁと人の強さや優しさを感じました。
美味しいけれど少しピリッとして、でもあの風味が口の中を満たしてくれるから辛子明太子はやめられない。