しまかす

洗骨のしまかすのレビュー・感想・評価

洗骨(2018年製作の映画)
4.0
ガレッジセールのゴリこと照屋年之が監督・脚本を務める笑いあり涙ありのヒューマンドラマ。私の世代にとってゴリといえばチアリーダーの格好をして「Mickey」を歌う“ゴリエ”のイメージが強いのだけれど、彼にこんな才能があったとは! 前評判どおり…というか、個人的に邦画オールタイムベスト10に入るのではと思うぐらいの勢いで良かった。シリアスなシーンや心にグッと来る場面の後で照れ隠しのように挟み込まれるコメディ要素が丁度いい塩梅。Q太郎の出演も出オチ要員かと思いきやなかなかに良い役どころだったなあ。
風葬や土葬を行った数年後、白骨化した遺骨を洗い清めて再び埋葬するという古い習わし“洗骨”を題材にした本作。世の中には強烈な風習があるもんだと少しネガティブな感情も抱きつつ観始めたものの、いよいよ洗骨のシーンともなると死者を黄泉の国へと送る行為の神聖さに言葉も出ず。故人へ想いを馳せながら骨の一本一本を丁寧に洗い、拭きあげる様は驚くほどに神秘的な光景だった。(実際の洗骨は必ずしも映画のように美しいものではなく、骨を洗う行為は女性たちの役割とされ、時には骨に残った肉や皮を削ぎ落とす必要もあったなど相当きつい風習だったらしいが…)
連綿と受け継がれる生命の営み。「命は女がつないでいくんだよ!」と叫ぶ大島蓉子が全編通して最高。水崎綾女の笑った時のえくぼも素敵すぎ。
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