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パッドマン 5億人の女性を救った男のrのレビュー・感想・評価

4.5
ノンフィクションなのがすごいね、この映画。言ってしまえば男の自分は一生関わらない「生理」について、自分ごと以上に真摯に真剣に考えられるんだもん。「自分の大切な人のために」っていう考え方が根底にはあったんだろうけど、女性の身体の問題に男の人が介入していくのってなかなかできることじゃないよね。女性の権利の実現が謳われる世の中だけど、そのためには男性の理解や支援が必要不可欠だなということを改めて感じた。社会って男も女もいて一つの社会なんだもんね。どっちかだけで成り立つものではないので、双方の歩み寄りって本当に大事だな。どっちかだけが頑張っても、所詮は他人事だと思われてしまえば結局その頑張りも社会全体に浸透することなく終わってしまう。特に女性は未だに男性よりも立場が弱いから(「女性の権利の実現を」とか言われてる時点で女性の権利が当たり前ではないことを示唆してると思っている)、男性が女性の身体や生き方について理解しようとする姿勢って男女平等には欠かせないよね。ただ、もちろん男女逆も然りだと思うので、自分と切り離すことなく理解しようとする姿勢、大事にしていきたい。

で、そのためにはタブー視が邪魔なのよ。今もナプキンを渡すときはコソコソ渡したりする風潮があるけど、タブー視は外部から問題を見えない化してしまう。見せるもんではないなと思うから生理も性もタブー視されやすいけど、当事者だけで問題を止めていたら社会で議論すべき問題が見えてこない。というか、当事者は勘付いているのに話題に上げられない。タブー視が解決を遅らせている問題はたぶん少なくない。でもタブー視って習慣というか文化というか、すでに人々に根付いているものだから、そこを打破するのが難しいよねぇ。ラクシュミみたいに現状に疑問を感じて行動できる人間じゃないと社会や環境の変化には繋がらない。私は「世の中がこうだから」、「ルールがこうだから」、そういうもんかって納得してしまう節がかなりあるんだけど、今置かれている状況を常に疑問視して、周りがどうであろうと違和感に対して真っ直ぐに行動できるラクシュミまじで大尊敬。そうなりたい。大袈裟だけど、大袈裟でなく、そういう人が社会を変えると思う。

あと映画の構成?について一つ言うと、私は生理の描写もっと生々しくてもよかったと思うんだよね。見やすいといえば見やすいけど、生理とは??から始まる男の人から見たらナプキンすらなんのこっちゃじゃない?タブー視のせいで、「生理」とか「ナプキン」そのものの存在は知っていても、その使い方やら生理の実態は知らない人がほとんどなんじゃないかなあと思うので、もっと生理痛がどうとか服に血がついちゃうよねとか何してても血が垂れ流れてくるよとか、そういう生理の日常をもっとわかりやすく描いていてもよかったんじゃないかな〜。
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