ハル

パッドマン 5億人の女性を救った男のハルのレビュー・感想・評価

3.9
インドの生理用品にまつわるお話。
これが1998年の話、しかも実話ベースだという事実に驚かされた。
男性が触れてはいけない領域、タブーに疑問を抱いた男ラクシュミが妻のために孤軍奮闘。

清潔なナプキンではなく、ボロボロの布を使いまわしている事を知り、周りに聞きまわり、自分で作ったり…衛生的に危ない事を伝えようと必死に頑張るラクシュミ。
ただ…関わる人全員から変人扱いされてしまう悲しさ。
終いには「なぜ、あなたは女性の股にそんな興味があるの?」と、妻から嘆くように悲しみをぶつけられ…もう泣くしかない。
やり方はともかく、伝えようとしてることは至極まともなのに、いつもいつもフルボッコ。

衛生面において、世界トップクラスの日本の感覚からすると、自分の妻や彼女がこんなモノを…と思ってしまうだろうし、女性自身も使おうとは思わないはず。
しかし、これが“当たり前”の文化だったインドでは、ラクシュミが開発するまで疑念を湧くことすらなかったのだから、『気付き』がどれほど大切か身にしみる。

ボク自身も元カノにむかし教わったことを思い出しつつ、改めて学ぶ時間。
彼のバイタリティー、モチベーションによって、人々の固定観念が変わっていく様は感動的だった。
特に、最後の演説が素晴らしく、不得手な英語(本人は“リングリッシュ”と表現している)で一生懸命、そして豊かに伝える姿が胸を打つ名場面。
インドを学び、文化を学び、生理についても学び事ができる良作。
一見の価値がある映画だと思います。

ちなみに劇中では“55ルピー”が頻出するけれど、相対的な価値だと当時200円弱、さらに物価との兼ね合いを考慮すれば500円〜1000円くらいの感覚?
それが2ルピーになったわけで、彼の功績が如何に大きいのかわかりますね。

Special Thanks to〜ちぃちゃん〜
ハル

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