おでい

プロミス/戦慄の約束のおでいのネタバレレビュー・内容・結末

プロミス/戦慄の約束(2017年製作の映画)
2.6

このレビューはネタバレを含みます

裕福な家庭で恵まれて生活をしていた学生の友人同士が経済破綻によって家庭崩壊し、2人で自殺を決意するものの、先に自殺した友人の死を見て怖くなり自殺をやめたら、未来で執着されて付け狙われるというタイのオカルトホラー。

テーマも悪くないしアイデアもすごく良い映画だなって思って見たけれど、残念な部分も多かった。

まずは学生時代。
物語の根幹となる大切なシーンなのに、そこに時間が裂けてなく、内容が薄い。
そのせいで自殺した友人がただの執念深いストーカー気質の嫌な奴だけのイメージになってしまってる。
もっと2人とも密な繋がりがあって、もっと将来を語り合うくらいのシーンは必要だったと思う。

続いて自殺を決意する父親のシーン。
精神的に病んだのか、父親が見えないクライアントと話しているシーンをキッカケに自殺を決意するのですが、まぁ、そりゃ思春期の娘としてはショックも大きいけれど、自殺に繋がるほどの動機をあそこから感じろというのは無理があるかも。
映像としてはギミックもあるし、面白味もあるけど、それならそれで、少しづつ頭が狂っていく父親を描いて、それからトドメのあのシーンがあれば感情移入できたし、そりゃ自殺決意するよねって思えたかも。

本題のスタートとなる自殺シーン。
個人的にはここの自殺方法、銃よりも飛び降りの方がシックリ来るかなぁと。
事の発端がタワーの建設だし、それが最後まで引っ張るわけだし。
でも、後のストーリー展開で銃のドキドキ感を出したかったんでしょう。
なのでそこは譲れなかったのかも。
でも、いくらなんでも友人のお母さんに銃を向けたりしてもお咎めない主人公はやっぱり疑問に思っちゃう。
そこはリアリティに欠けるかなと。

深みのないストーリー展開はこの映画の最大の弱点かも。
自殺後の家族の苦しみやそこからの主人公の苦悩が全く描かれず、なんなら次のシーンに移れば、突然大人になっていて、いい生活してて、14歳の子供がいて夫を亡くしてるという突然すぎる設定に。
いきなりすぎてここで思考停止に。
全く不自由なく生きてきたぽく見える主人公すぎて、なんならこの映画を見てる多くの人が自業自得だと思って共感も応援もできなかったかも。
例えば亡くなった友人の写真を飾っていて毎日手を合わすとか、毎年命日にはちゃんと家に行くとかがあれば応援できたかなと。
まぁ、なんなら遺灰を投げつけるくらいだしね。

波のあるダレ感も良くないかも。
緊張感のあるシーン来たと思えばダレて、また来たと思えばダレるの連続で集中しにくい。
この映画どこかエクソシストを彷彿とする感じで、ベッドに縛り付けるとか、病院で検査受けるとか、憑依のアイデアはマンマで、対するエクソシストはその緊張と緩和がものすごく秀逸な作品。
この作品はそこが出せなかったのがもったいないなと感じた。

見えない友人との戦いは、ある意味で評価点だと思う。
この時代の見せる映画作品が多い中で、相当なチャレンジだったと思う反面、扉が動くとか、ランプの点滅でとか、スマホの顔認証とか、少し子供だましぽかったかな。
見せないなら見せないで、もう少しゾクッとするような演出は欲しかったし、なんならせっかくのポケベル出してるなら、そこに悪意あるメッセージ送られるとか、もっとオカルト要素欲しかったかも。

胸糞しか残らないストーリーはタイと日本の宗教観とかもあるのかもしれない。
そもそも悪いことをすると自分に災いが起こる事が当たり前の日本人にとって、ものすごく共感もできないし、理解もできないし、無関係な娘が最後に植物状態になるのは、はァーって?って怒りさえ感じる作品だと思う。
例えばタイの呪物のクマントーンは、粗末な扱いをしていると形でないものの幸せを奪っていくみたいな言い伝えもあり、もしかしたら、あちらの宗教観で、身の回りの幸せを奪うような神罰みたいなのもあるのかもしれない。
なので、そういう違った見方をすると、最愛の娘を付け狙う事によって、死ぬよりも苦しい人生を味合わせるというやり口はなかなかに他の作品では見られない手法かもしれない。
なんなら完全に殺さなかったのも計画のウチなのかもって思うくらい。

捻りのない展開は1番みんながストレス感じる部分かもしれない。
あそこまで執念深く嫌がらせしてくるのは、やっぱり見てるこちらさえも知り得ない秘密があっても良かったかも。
例えば、ラストでお互い自殺に見せかけて、引き金を引いていたのが主人公だったとかが判明するとか、なんなら見えない霊に付け狙われて何で?って見てて、最後に実は一緒に自殺するはずが怖くて逃げたからってオチでも良かったかも。
とにかくなんの謎解きもひねりも無いもんだから、やな奴とやな奴の鬼ごっこを最後まで見せられている感じだった。

アマプラのサムネイルの画像はいったい?
アマプラのサムネイルで、おなかにナイフみたいなの刺さっている写真使われているのだけど、あのシーンは?
B級ホラー作品でイメージ画像使われるのは承知の上だけど、この作品の写真はそれっぽくなくて、いつこのシーン出るのって思ってて、最後の最後にオチとしてまさかとか期待したけど終わってしまった。
あれは何?

面白くないかと言われるとつまんないわけではないけれど、人に進めるほどのパンチもなく、アイデアだけが先行した感じの作品だなとおもいました。