Haruki

グッド・ヴァイブレーションズのHarukiのレビュー・感想・評価

4.2
北アイルランドのパンク・ロックバンドを世に送り出した、ベルファストのレコード店/レーベル『Good Vibrations』の創設者テリー・フーリーの実話を描いた作品。

ケネス・ブラナーの『ベルファスト』でも描かれたアイルランドの紛争。

当時の北アイルランドには、宗教的対立や政治的理想の違いによって怒りと暴力が渦巻き、未来への希望が失われつつあった。

そんな時代に、自身もパンク・ロックのエネルギーに撃ち抜かれたテリーが、このエネルギーを世の中に届けたいという一心でレコード店を経営し、レーベル活動をおこなっていく。

勝ち負けだけが重要ではない、正しい道を選んでいきたい。
テリーのそんな生き方が強く胸に刺さる。

アイルランドのかかえる切実な痛みを描きながら、そんなアイルランドに希望をもたらしたテリーの半生を真摯に描いている。

世の中に受け入れてもらおうと踠きつつ、自分なりの生き方を貫く強い意志も持つ。
複雑だが多くの人が共感できる感情が作品の根底に流れている。

ラストのギグのシーンは超かっこいい。

やっぱ『Teenage Kicks』は名曲。
Haruki

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