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ペンギン・ハイウェイのytのレビュー・感想・評価

ペンギン・ハイウェイ(2018年製作の映画)
3.5
主人公の街にペンギンが現れ、様々な事柄が絡み合うこの”謎”を研究していく小学4年生の不思議で儚く切ない作品。原作の森見登美彦の小説は、第31回日本SF大賞を受賞したことでも知られる。夏の暑い日、部屋でエアコンをつけながら小学生の子たちに観てほしい。すぐに答えを導かず、沢山悩んで、仮説でもいいから自分の答えを出すことがいかに重要か気付かされる、そんな作品だ。

[あらすじ]
→ 気になったことはとことん研究する真面目で小生意気な小学4年生・アオヤマ君は、謎めいた雰囲気の歯科医院のお姉さんを研究していた。そんな中、街に突如ペンギンが現われる不思議な現象が発生。アオヤマ君は、さっそく研究に取り掛かり……。

[レビュー]
・かなり良質な青春SFファンタジー。ゆったりした世界観に利口で賢いアオヤマ君は良い引き締めになっているし、同級生も良い意味で素な小学生の感じ。キャラそれぞれもちゃんとキャラ立ちしているし。原作が未読なため映画と何処まで同じなのか分からないが、この”理解できなそうなのに世界観に入り込めている”この感覚は、きっと原作と九分九厘同じだからなのだろう。

・本作は何度も観ることで味が変わり、考え方が変化する作品だと思う。作品を観ながら何を伝えたいのか、何を描いてるのか分からないと感じることが多くあった。だが、それが返って良くないのだとこの作品を観た後で気づく。すぐに答えを見つけ出さなくても良い。作品を観ることに集中し、考えて考え抜いた結果、自分なりの解釈を見つけることが重要なのだろう。

ペンギンの大量発生や大きな”海”の正体、様々な謎が出てきながらも、お姉さんと共にアオヤマ君が答えを見つけ出そうと奔走する姿は、そのような強いメッセージ性があったのかもしれない。今の子達にも、沢山不思議なことを見つけて、それが何なのか、何故自分は不思議がっているのか、と沢山悩んで考えを育んで欲しいと思う。

・そんなアオヤマ君の声は見た目といい中身といい思い描く通りの声だった。逆にお姉さんの声は個人的には苦手だったかな。

👉様々なメッセージ性を秘めているのかなと感じる本作品。子どもが出来たら絶対に観せたいなと思う。この世にはまだまだ沢山の謎があるのかもね。後でコーラ買って飲み干したら、缶投げてみようかな。
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