無知A

ペンギン・ハイウェイの無知Aのレビュー・感想・評価

ペンギン・ハイウェイ(2018年製作の映画)
4.6
森見登美彦先生が原作という事実が名作である何よりの証拠だ。

初めの入り方からしてもう凄まじい。森見登美彦先生独特の世界観に引き込まれ、魅せられた。

お姉さんは、謎である。謎に恋するという事もまた筋が通っている。お姉さんに恋したというよりもお姉さんという謎そのものに恋したのだろう。

主人公ほどの歳の少年からすると女性が持つそれは普段見ることが無い未知なものだ。未知なもの、謎に対する好奇心こそが恋と描かれていたのではないだろうか。そして、究明しようとする意志や情熱もまた恋だと思う。

相手の事を知りたいから行動を共にする。相手の事を知りたいから知ろうとする。これは、立派な恋だ。
お姉さんという謎もまた関心が芽生えたからこそ大きくなった謎であり、恋だろう。少年の心が謎を生んだのだろう。

少年は大人ではなく少年だ。それ故に真っ直ぐである。意味無く欲望に振り回されず、一つ一つ問題に向き合っている。目標を見つけ、真っ直ぐに向かっている。その姿に勇気づけられると共に喝を受けた。
無知A

無知A