ともまる

フード・インクのともまるのレビュー・感想・評価

フード・インク(2008年製作の映画)
4.0
14年前のアメリカのドキュメンタリー映画ではあるけれど、今の自分たちにとっても決して他人事ではない食のリアル。考えないようにしてきた、目を背けてきたことをフィクションではない現実の映像と共にまざまざと見せつけられる2時間だった。

身動きすらできない劣悪な環境で一生を終える家畜の映像が流れた後、そういった飼育にアンチテーゼを唱え、家畜を自然の中で放牧させ、愛情をかけて育てている畜産家のインタビューがあり、牛や鶏たちが伸び伸びと過ごす姿が流れた後に、その鶏たちを屠るシーン、鶏肉になった姿がサクッと映し出されたのがリアルだった。

当たり前のことだけれども、生き物の命をいただいているという感謝、生きる意味や人生について考え悩む余地のある人間に生まれたことの幸運を忘れてはいけないなと思った。