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縄文にハマる人々のkmtnのネタバレレビュー・内容・結末

縄文にハマる人々(2018年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

出だしは怪しげな人ばかり出てきて、「トンデモ映画か!?」と身構えたが、あくまでそれだけ縄文時代の解釈は自由であるという話がしたかっただけのようで、中盤から方向修正し、研究者の話がメインになっていったので一安心。


間に岡本太郎と縄文で一章取られている。
「人類の進歩と調和」を否定した岡本太郎。
彼は日本各地に残る、神教より前に日本に存在した神様や、祭りを収集研究し、作品に活かしていた。
彼は縄文文化の残滓を探していたのだろうか?


数年前に縄文時代がブーム!だと言われ出して、「なんで?」とずっと思っていたが、自分の意見を託すツールとして使われてしまっているんじゃないかと思った。
それが学術ベースならともかく、本作の冒頭にもあったトンデモ論に理由づけされるのであれば、悲しいことだと思う。
それだけ縄文時代が何も分からない時代だということだし、あくまで本作は散りばめられた過去のカケラみたいなものでしかあり得ない。
懐が深い時代だとも思えるし、一方で罪深い時代だとも思える。


最後に語られた縄文時代の長さと持続性。
従来の狩猟採取民族と違い、定住していたということ。それが5000年(でしたっけ?)続いたと事実だけで、行き詰まった現代から見ると何かしらのヒントがあると語られる。
結局、人が過去から学ぶしかないというのならば、縄文時代は気づきに満ち満ちているのかもしれない。まだその時代のことを、我々は何も知らないから。
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