ちろる

ミスター・ルーズベルトのちろるのレビュー・感想・評価

ミスター・ルーズベルト(2017年製作の映画)
3.6
コメディアンになる夢を追って、住んでた街を離れて未だに芽が出ない。
なまじYouTubeレベルでちょっと人気出ちゃったがために世の中でも求められてるような気がしちゃって、でもなかなかどこからも求められない、居場所がない。
ここの部分の痛々しさは今の時代のあるあるを切り取ってたのだけど、元カレからの電話からの展開、これは実にアメリカンな感じ。
元カレと一緒に飼っていた愛犬ミスタールーズベルトの危篤の連絡を受けて久しぶりに元カレの住んでる街に帰るのだが、愛犬家の私としては、まずそんな取り乱して泣くくらいなら何故に置いてったのだ?とエミリーに共感は全くできない。
エミリーの不器用な生き方は痛々しくてヒリヒリするけど、みんなスムーズに生きれる訳ではない。
泣いたり叫んだりしながら心に詰まったイヤー!!ってみんなで言いたいこと言い合ったその先に、目の前の相手とも分かち合えることもあるかもしれないけど、それがなかなかできないのが人間。
痛々しくて見てられないエミリーがジェンに出会ってくれて良かった。
自分の凝り固まった幸せの目標がちょっとした事で視界が広がっていくこともある。
人にどう思われたいとか、どうしてほしいよりも単純に自分が何に笑ってられるかなのかなぁなんてこと、この作品観て思ってしまった。
ゆるーくインディーズ感の強い作品ですが、小気味良い脚本でラストまで楽しむことができました。
ちろる

ちろる