TAK44マグナム

デス・ゲーム2025のTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

デス・ゲーム2025(1998年製作の映画)
3.6
デスゲームってほどのものじゃありません!


近未来のXスポーツを題材としたSFテレビ映画で、ウェズリー・スナイプスが製作にも名を連ねてます。
監督が「ウォーキング・デッド」をはじめとした人気テレビシリーズをたくさん手がけている手練れなので、中々しっかりとした、地に足のついた作り。
でも、ジャケに「ゲームの勝者が世界を手に入れる」などと格好良さげに書いてありますが、残念ながら手に入るのは、芸能人がこぞって正月にゴルフと買い物しに行くところ・・・そう、ハワイだけです!


2025年の世界で一番人気のスポーツは、サッカーでもテニスでも、ましてやセパタクローなどではなく、フューチャースポーツ(まんまやん!)と呼ばれる新世代スポーツなのでした。
「バックトゥザ・フューチャーパート2」に出てきたホバーボードみたいなのに乗って、壁にあいた穴にボールを投げ入れるとポイントゲット!
しかし制限時間を過ぎてもボールを持っていると電流が流れて痛い目にあっちゃう。
元々はスラム街の揉め事を解決する手段としてスケボーを使って始めたスポーツだったのに、テレビレポートで紹介されるやいなやウケて、いまや世界中を席巻しているってわけ。

主人公はこのフューチャースポーツの超人気プレーヤーだったんですけど、いい気になってスタンドプレーを連発、結果的に大事な試合をおとしてしまいます。
そんでもって人気急落、美人女優の彼女も去って行きます。

仕方なく古巣のスラム街を訪れてウロウロしたりしていると、ハワイの独立をうたうテロ組織から元カノのテレビレポーターと共に狙われる主人公。
色々あるうちに改心した主人公は、血で血を争うよりスポーツで決めたらいいんじゃね?と、ハワイを賭けたフューチャースポーツの試合を提案、それがなんと了承されちゃいます。
かくして、オールアメリカVSオールハワイという、前代未聞のハワイを取り合う試合が始まるのでした・・・!


で、ウェズリー・スナイプスなんですが主人公役ではありません。
フューチャースポーツを作った創始者の役で、スラム街のボス的存在。
主人公の師匠筋にあたるキャラクターなのですが、スラム街の連中のために敵になったりもします。
でも、最後にはチームに参加して危ないところを救うという、おいしい役どころ。
主人公を助けて敵プレーヤーを殴ったり蹴ったりと暴れてくれますよ。
あんまりウェズの見せ場が多いわけではなく、ゲストっぽいです。
「ブレイド」ばりのキメキメアクションを期待してはいけません。


同じような近未来スポーツモノに「ローラーボール」がありますが、テレビ映画ということもあってか、あちらほど殺伐としてはいないです。
ただ詳しいルールがまるで分からないのはどちらも一緒(苦笑)
まあ、ローラーボールは本当にさっぱりわからないので、それに比べればまだマシ・・・というか、バスケやハンドボールより単純で野蛮なスポーツっぽいですけれどね。
そこまでクールでもファッショナブルでもないし、どうして世界的人気スポーツなのか、けっこう不思議。
ただし、スポーツプレイヤー達なのに、武装したテロリストのアジトにカチコミかけて勝てるほどの恐ろしい戦闘能力をもっているという事実!
テロリストが情けないのも確かですが、恐れを知らぬ集団ですよ!

あと、なんとなく金井たつおが描いた古い漫画「スーパーゲーム 」てのを思い出しました。
やっぱり近未来の、アメフトやラグビーみたいなスポーツを描いたSFで、再起不能になったり死んだりするのが珍しくないスーパーゲームのプレイヤーたちが激突しますが、人気なくてすぐに打ち切りになったような記憶が・・・。
負けたプレイヤーが処刑されたりしたと思うんですけど、こちらのほうがよっぽどデスゲームというタイトルが合うような気がしますねぇ。

自分の人気度が数値で分かったり、家に帰るとAIが出迎えてくれたりと(残念ながらアナ・デ・アルマスのホログラフィックは無い)、なんとなく近未来感をだそうと頑張ってたりしていて、予算のないテレビ映画だと思えば、まあこんなものかなと思います。
よくまとまっている小品といったところでしょうか。

ヴァネッサ・ウィリアムズのファンや、ウェズの映画は例えどんなのでも観てやるぜ!という侠気あふれる方、近未来モノに目がない方におススメしておきましょう。


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