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ゾンビの帰郷のhorahukiのレビュー・感想・評価

ゾンビの帰郷(2005年製作の映画)
3.3
戦死した兵士たちが突如ゾンビとして蘇り始めた。なんと彼らの目的は大統領選で投票することだった!

名だたるホラー映画監督たちに作品を撮らせて最恐を決める「マスターズ・オブ・ホラー」という企画の中の一本。本作の監督はジョーダンテ♫

あらすじ…
アメリカの勘違いで起こった大義なき戦争。その戦死兵の死体が次々に帰国。ちょうど大統領選を控えた時期で、現職の大統領陣営の主人公が「戦死兵が蘇れば、『自分の死は崇高なものだった』と口にするだろう」と報道番組で発言。その発言は波紋を呼ぶが、実際に戦死兵たちが蘇ってきて…という話。

ど直球な反戦映画であり政治批判映画。
反戦Tシャツ来ただけで逮捕、大統領に反対しただけで連行という、とにかく戦争大好きな現政権。

死んだ兵士たちは戦争に行けたことを栄光だと思っていると、現職の大統領陣営が口走ったもんだから、「んなわけねーだろ!!」という熱い思いを一票に込めて投票するためにゾンビとして続々と復活してくる戦死兵たち。目的は投票なので、本作のゾンビは人肉食ったり感染増殖したりということはありません。ちゃんと投票所行って順番待ってるゾンビはなんだか可愛い(笑)

死者に投票権があるのか!いやいや自分で投票に行けてるんだから死者じゃなくない?みたいな論争が勃発し、大統領選は大混乱状態に。そして、ゾンビ側に世論が傾くのを防ぐために汚い手を講じ始める現政権サイド。果たして選挙の行方は…。

ゾンビとして復活してくる時に一瞬墓に刻まれた名前が映るんですが、確認できただけで、ジョージロメロとジャックターナーの名前が!ターナーの方はしっかりゾンビとして復活してきてましたが、ロメロは当時存命なので復活はしません。こういうリスペクトと言っていいのかわかんないけど、遊び心のある演出は最高ですね♫

ちなみにジャックターナーはロメロ以前のブードゥーゾンビ映画の傑作『私はゾンビと歩いた!』の監督で、RKOホラーを支えたレジェンドです。『キャット・ピープル』は私のベストムービーに入ってます(*^^*)

本作も面白かったので、ジョンランディスvsジョーダンテの人狼対決は引き分けですね。テレビ映画でこんなの作っちゃうんだから、この2人やっぱすげぇわ!
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