このレビューはネタバレを含みます
良作だった。
この子を silent child にしてしまっているのは女の子の特性ではなく周囲の環境なんだな、というのが痛いほど分かる。
食卓で話についていけず置いてけぼりになっているのに家族は誰も気にかけず、学校でも同様で、ちゃんとその場にいるのにいないように扱われる姿は観ていて苦しくなる。
みなそれぞれ忙しい中、たった一人の家族のために手話を覚えるのがしんどいのも理解はできるけれども、でも、もう少しくらい寄り添う姿勢を見せてもいいんじゃないか?
主人公に気があるぽいお兄さんが女の子の味方になってくれるといいけど…。
ラストで主人公が立ち去った後、校庭の隅にポツンと佇む女の子の姿がズームアウトしていくシーンは本当に心が痛む。意思疎通をはかろうとしてくれる人がいなくなり、一人ぼっちの世界に戻ってしまうなんて。